古いINAXコンティスシャワートイレに最新式の温水洗浄便座の取り付け

by 管理者
8月 20日 2016 年

ウォシュレットのノズルが出てこなくなったので修理して欲しいと実家からの依頼があり、これが悪夢の始まり。
※ ウォシュレットはTOTOの登録商標なので、一般的な名称は温水洗浄便座です。INAXはシャワートイレと呼んでいますが、ここでは温水洗浄便座と呼びます。

実家で故障具合を確認するために温水洗浄便座を上に引っ張って取り外そうとすると、便器の前側から大そうな機械が出て来て、「なんじゃこれ、普通の温水洗浄便座と違う!?」

DC-9511S(AT1)
 

INAXのコンティスシャワートイレは温水洗浄便座と便器を組み合わせた製品でリモコン操作で便器洗浄できる当時としては高機能なトイレでした。
ちなみに実家のトイレの型番はC-9011SD/L12と便器に記されており、ネットで調べたところ便器部がC-9111SD・機能部がDT-9500Sだと分かりました。
温水洗浄便座の取替えなんてポン付けで交換できるから作業時間はたったの30分かな?なんて思っていたら、とんでもない。
使用中の古いトイレの温水洗浄便座の取り付け穴の間隔が240mmに対して現行の温水洗浄便座は140mmと違っており、簡単に交換できないことが発覚。
そのためにINAXは取り付け穴の寸法を現行の140mmに変換するための「便座交換キットCWA-103A」を提供しており、これを入手すれば簡単に取り替えられるはずでした。

しかし、今から3年前の2013年に「便座交換キットCWA-103A」は廃番になっており、どこを探しても無い。
ちなみに廃番になったCWA-103Aとはこんな製品です。

写真 CWA103A
 

「便座交換キットCWA-103A」が無いと温水洗浄便座の取替えが出来ないので、便器の取替えも一緒にやるつもりでトイレを確認すると・・・えっ・えっ・えっ?
便器が壁に埋没している。

R0016051
 

その昔トイレを和式から洋式に変更したときに同時にトイレ周りのリフォームをしたらしく、便器を取り付けてからタンクを覆うように壁を作ったらしい。
つまり便器を取り替えるためには壁を壊す必要があり、温水洗浄便座の交換をしたいだけなのに便器の交換どころか壁の補修まで入る大掛かりなものになることが発覚。
多分30~50万円コースかな?
もう、笑っちゃうしかありません。

「便座交換キットCWA-103A」の製作

そのため「温水洗浄便座の交換は無理。温水は出ないけど暖房便座として使うことは出来るから、あきらめてね!」と親に言ったものの寸法さえ分かれば簡単に作れそうだったので、廃番になった「便座交換キットCWA-103A」を作って温水洗浄便座だけを載せ換えることにしました。
そこでINAXのサポートにCWA-103Aの図面を提供して欲しいとメールでお願いしましたが、提供できないから便器ごと交換しろと冷たい回答。
仕方なく使えそうな情報をネットで探し回ってCWA-103Aモドキ?の図面を作製し、金属加工屋さんに取り付け穴間のサイズを変更するサイズ変換プレートの製作を依頼しました。
ちなみに私が書いた図面はこれです。

サイズ変更プレートの図面 ※ 要 Adbe Acrobat
 

そして金属加工屋さんに作製してもらったサイズ変更プレートがこれです。

R0016042
 

このサイズ変更プレートにスライドプレート(温水洗浄便座の固定部品)を取り付けるための金具がこれ。

R0016047
 

真ん中に穴が開いた四角形の金具は角ワッシャー28×28×t1.6でφ11の穴が空いており、ミスミに注文するときの型番はWSQS-STC-M10。
ミスミで購入できれば汎用の角ワッシャーなので安く手に入ります。
もしミスミと取引が無ければ金属加工屋さんにサイズ変更プレートと一緒に作ってもらえば良いでしょう。
サイズ変更プレートの加工で余った材料を一辺28mmの正方形に切り出して真ん中にφ11の穴を開けるだけですが、怪我をしないように角やバリを落とすように伝えてくださいね。
頭が薄い六角ボルトはステンレス製の六角穴付き極低頭ボルトM10*20。
これもミスミに注文しましたが、ホームセンターでも入手可能です。
ナットも同じくステンレス製でM10ナット、これはどこでも入手可能な普通の部品です。

 

温水洗浄便座の中に同梱されているスライドプレートをこのように固定します。

R0016044
 

INAXの「便座交換キットCWA-103A」にはボールタップ接続部に取り付けるための給水銅管が付属していますが、これは既製品であるカクダイのL型カップリング9086と1/2ネジ取り出しニップル9093で代用します。
ホームセンターに残っていた最後の1個の1/2ネジ取り出しニップル9093のパッケージはボロボロでしたが中身に問題が無いことを確認して買ってきました。

RIMG1394
 

ボールタップ接続部とネジ径が合わないので2つの部品を組み合わせて使います。

RIMG1396
 

リモコンで便器洗浄出来る温水洗浄便座の選定

今から19年前とはいえコンティスシャワートイレはリモコンで便器洗浄できる高機能タイプ。
そのため同等の機能を持ったモデルを現行製品の中から探すと価格の高いモデルしか無く、その中でも一番低価格な平付・隅付タンク用のCW-KA21QBを選定しました。
ちなみにINAXの製品カタログでコンティスシャワートイレのような密結式便器の場合はCW-KA21QAを選択するように記載されていますが、コンティスシャワートイレのタンクはタンク内に仕切りがある現仕様のタンクとは構造が違うため、タンクの外側にハンドルを動かすモーターを取り付けるCW-KA21QBにしないと水がモーターにかかって故障すると考えられます。そのため購入した温水洗浄便座は平付・隅付タンク用のCW-KA21QBです。
 

温水洗浄便座CW-KA21QBの取り付け

分岐水洗の取り付け方法や給水ホースの取り付け方法は製品に同梱の施工説明書や便座交換キットの施工説明書を参考にしてください。
タンクに取り付けるハンドルは多分古いものがそのまま使えますがCW-KA21QBには新しいハンドルが同梱されているのでそれに取り替えます。
「便座交換キットCWA-103A」にはタンク内でサービスタンク(蛇腹の部品)を外したときにタンク内の水が漏れないようにボルトとパッキンが同梱されていますが、入手出来なかったのでサービスタンクを切り取った後、サービスタンクの下部を切り取って元のとおりにタンクに取り付けると同時に穴をコーキング材で埋めて水がタンクの外に漏れないように対策しました。
上図が「便座交換キットCWA-103A」の施工図、下写真が実際の施工内容です。

sekou1

RIMG1381
 

ボールタップ接続部に取り付ける給水銅管(「便座交換キットCWA-103A」に同梱される部品)の代わりにカクダイのL型カップリング9086と1/2ネジ取り出しニップル9093を取り付けています。が、サービスタンクの上部を切り離すと中にストレーナーが入っているのでこれを1/2ネジ取り出しニップル9093に予め挿入してから取り付けます。
上図が「便座交換キットCWA-103A」の施工図、下写真が実際の施工内容です。

給水銅管

R0016067

ここでじっくり見比べると、施工図にはストレーナー挿入の指示が無いことに気が付きました。
ストレーナーとは給水部分からタンク内部に異物が入らないようにする丸い網目のフィルターでサービスタンクの上部に付いています。
コンティスシャワートイレではタンクに給水した水を温水洗浄便座に使っていましたが、施工後は分岐してからタンクと温水洗浄便座に給水するのでこの位置にストレーナーを付ける必要がなくなった訳ですね。
ストレーナーは今度取り付け予定の温水洗浄便座に内蔵しています。

サイズ変換プレートを便器に固定し、温水洗浄便座CW-KA21QBを取り付けます。

R0016057
 

これでコンティスシャワートイレに温水洗浄便座CW-KA21QBの取り付けは完了です。

R0016058

CW-KA21QBに同梱された新しいハンドルですが交換前のハンドルに比べるとタンクとモーターユニット間にあった1cm位の隙間がなくなりました。
ハンドル横の幅3cm位の白い箱の部分にモーターが内蔵されており、リモコンでモーターを動かして便器洗浄します。

rimg1453

INAXのサポートから「便座交換キットCWA-103A」が廃盤になったため、コンティスシャワートイレに最新の温水洗浄便座を取り付けることが出来ない、そして最新の温水洗浄便座を使いたければ便器ごと取り替えるように提案されましたが、廃番になった部品を自作することで取り付けることが出来ました。

取り付けに掛かった費用

温水洗浄便座 CW-KA21QBは楽天の住宅設備専門店で購入し、送料込み・税込みで35,499円。
便座を取り付けるために購入した材料は以下のとおりで10,000円程度、全部で45,000円程度で交換できました。

    ・M10ステンレスナット2個
    ・角ワッシャー28×28×t1.6 φ11穴 ミスミ型番 WSQS-STC-M10 2個
    ・ステンレス六角穴付き極低頭ボルトM10*20 ミスミ型番 SSHS-M10X20-VA 2個
    ・サイズ変更プレート(特注品) 1個
    ・L型カップリング カクダイ 9086 1個
    ・1/2ネジ取り出しニップル カクダイ 9094 1個
    ・シリコーンシーラント(タンク底部のコーキングに使用) 適量
    ・両面テープ 適量

過去に「便座交換キットCWA-103A」が4,000円程度で販売されており、それの同等品を自作して約10,000円かかりましたが、便器本体ごと交換することを考えれば十分に納得できる価格だと思います。

最後に私が書いた図面や独自の施工方法を掲載しましたが、同様の施工をする場合は自己責任でお願いします。
今回、私がサイズ変更プレートの作成を依頼した金属加工屋さんはニイタカアルミニウム製作所さんです。
図面を見せて制作依頼すれば多分作ってもらえると思います。

 

節水型の便器に交換した方が得だったのか?

今回便器交換しなかった理由は冒頭で述べたとおりですが、古いトイレを新型のトイレに交換する場合、節水型の便器に交換して水道料金を節約したいと誰もが思うはず。
私自身トイレのタンクが壁に埋没していることを知るまでは、節水型のトイレに交換することを考えていました。
そして壁を補修して金がかかることを承知で節水型の便器に交換していたら、後悔して多分工事のやり直しになっていたでしょう。
というのは、実家のトイレは下水から15~20m位離れた場所に作ってあって、時々トイレから下水の間の横配管内で詰まるため、詰まった時はその都度ホースをトイレから突っ込んで勢いよく水を流して詰まった物を押し流していました。
実家は古い家屋なので横配管の勾配(傾き)がきちんととれてなかったり、配管が汚れて流れが悪くなっている可能性があります。
コンティスシャワートイレの洗浄水量は9Lですが、これを5Lの節水型に変更したら、押し流す水の量が少なくなるので詰まる頻度が増加するでしょう。
考えただけでもゾッとします。
下水や浄化槽がトイレから近ければ節水型のトイレでも良いと思いますが、離れている場合や横配管で詰まることがある場合は絶対に止めた方が良い。
詰まり解消のために業者を呼んだり、小なのに大側にレバーを回して意図的に水を多く流して対策するので水道料金の節約どころか逆に金がかかることになります。
メーカーは節水型トイレのメリットばかり説明していますが、デメリットも説明するべきだと思います。

この記事へのトラックバックURL