設計が一段落して加工業者と加工方法や見積もりの話をしているところです。
それを大まかな部品ごとにまとめるとこんな感じです。
・板金部品は当初予測していたより安く作ってくれそうです。
・へら絞り部品ですが、木型で作成して安く仕上げようと考えていましたが、金属で型を作ってもコストが大きく違わないことがわかりました。
へら型を旋盤加工して作るのだと思いますが、違うのは材料だけで人件費は同じなので大きく型代が大きく違わないのも納得
それなら鉄で作ろうと考えています。初めはコストが掛かるけど仕方ないですね。
・パンチングメタルは、結構厳しい見積もりが戻ってきています。パンチングメタルを円筒形に丸めて溶接し、ネジ穴加工するのですが、パンチングメタルを板のまま購入し、円筒形の丸めと溶接も含めて回転ドラムの加工をへら絞り業者にお願いすると価格が安くなるのか検討中です。
・切削部品ですが、ステンレスパイプの加工費が想定外に高いので、安くやってくれそうなところを探しています。
※ こんな価格なら自分でボール盤を買って加工した方が良いくらい。・・・ボール盤の置き場所に困るけど
実はステンレスパイプの長さを変えて熱の伝わり方を検証したい為、2~3本作成することを考えており、その部分を伝えて見積依頼中です。
ところで、以前ニコンFM2のような味のあるコーヒーロースターを作りたいと書きました、このことについてもう少し掘り下げてお話したいと思います。
今時のカメラは良く出来ていてシャッターを押すだけでそれなりの写真が撮れてしまいます。
早いスピードの被写体を写せばカメラがシャッタースピードを高速側に自動的にシフトして被写体がブレないように撮ってくれるし、人物を写せば笑顔の瞬間を狙ってシャッターまで押してくれる。そして風景や夜景もそれなりに撮ってくれる。
しかし、ここで大切なことは、「カメラが撮ってくれる」ってことであり、「撮影者が意図して撮っている」わけじゃない。
赤ちゃんの顔をアップで撮りたいときに、顔の周りをボカスと顔がはっきりと写ります。
このとき、ニコンFM2のようなマニュアルカメラは、絞りを開けて撮ります。
そのために開放F値の明るいレンズを選び、絞りを開放付近にします。
しかし、開放付近はピントの合う範囲がかなり狭く、ピンボケになり失敗するリスクが高くなります。
絞りを開く為、相対的にシャッタースピードが速くなるので、手振れの危険性は少なくなります。
絞りの位置により、背景のボケ具合やピントの合う位置が違い、そこに撮影者の意図が現れます。
そして赤ちゃんが微笑んだ一瞬を切り取る。
空気を切り取るなんて表現をする人もいますが、似たようなものだと思います。
自分の娘が小さいときに何度も挑戦して、なかなか満足な写真は撮れないけど、意図したものが撮れたときはすごく嬉しい。
そして、そこにカメラの面白みがあると思います。
今回作成中のコーヒーロースターは、業務用のロースターと同ようにドラムにパンチングメタルを使用し、排煙ダンパーも備えています。
(取り出し口から温度計を入れれば)温度の計測もできます。
コーヒーをローストするための必要な機能を備えているため、焙煎者の意図に応じてコーヒーのローストができるはずです。
カメラの話に戻すと「カメラが撮ってくれる」のがお店で買った焙煎されたコーヒー豆、「撮影者が意図して撮っている」のがこのロースターで焙煎したコーヒー豆って感じです。
こんなコーヒーロースターを鋭意作成中です。