珈琲ロースターの回転ドラムを駆動するモーターの軸ブレの件、おそらく解決しました。

by 管理者
8月 12日 2011 年

技術的にモーターの軸ブレはギアを使ったり、カップリングを使えば解決します。

しかし、ギアやカップリングの価格を調べたり、それらを取り込むための変更部分を洗い出すと思ったよりコストがかかるため、どうしようか悩んでいました。

 

・ほんの思いつき

今から2日前の深夜のことですが、この日もギアやカップリングの価格表を眺めていましたが、良いアイデアが浮かんでこないため、ベッドに潜り込んでカップリングの構造を考えている時、ふと本物のスプリングをカップリングの代わりに使うことを思いつきました。

ギアでもカップリングでもフレキシブルシャフトでもない第4の方法です。

スプリングなら、どれだけモーターの軸ブレが大きくても吸収できるし価格も安い。そして、シャフトの鉛直が多少出ていなくても問題ないはず。

問題はスプリングの全長がそこそこあるため、わずか10cm程度のシャフトに組み込めるか、そして熱の問題。

熱の問題は2つあります。

1つ目はスプリングは高熱環境で使用すると熱ダレしてしまい、張りが無くなります。・・・最悪、伸びて戻らなくなる。

2つ目は回転ドラムの熱がスプリングを介してモーターにどの程度伝わるのか不明な点。

しかしこの2つの問題はシャフトの長さで熱の伝わり方をある程度調整できるので、なんとかなるだろうと考え、取り敢えずその日は寝て、次の日早速試作に取り掛かりました。

まず、スプリングの種類についてネットで調査しました。

その過程でバネ屋さんにモーターの軸ブレ対策のためにスプリングを探していると説明すると、「そんな方法は聞いたことが無い」とこの方法を一蹴され、そのバネ屋さんは一方的にスプリングのウンチクを語り出す始末。

それもそのはずで、この方法の場合、バネを引っ張る方向によってシャフトにかかる応力が違ってくるので、軽い物を高速回転させるには不向きな方法なのです。

つまり、なんにでも使える一般的な方法じゃない。

しかし、フライホイールのような重量のある回転ドラムを低速で回すのなら、遠心力の影響は無視できるし、大きな慣性モーメントがスプリングの応力の違いを吸収してくれるので十分に有効な方法のはずです。

すぐに試作して検証したかったので、スプリングはホームセンターで買ってきました。

次に、シャフト~スプリング~モーターを一直線に固定するため、回転ドラムを持ち上げる支柱が必要になります。

これは、厚さ1mmのアルミの板があったので、金切バサミで工作して作りました。

回転ドラムに接続するシャフトは、以前購入したステンレスのパイプがあったので、それをパイプカッターで切断して、ボール盤で穴あけして作りました。

基本的に現物合わせの工作なので、寸法が合わないところは、ワッシャやナットを挟んだりして形にしました。・・・まあ、なんとかなるものです。

 

・軸ブレの検証

軸ブレの検証テスト

これが試作した軸ブレ対策した試作機です。

下記動画を見てもらえば、モーターが軸ブレで揺れてないことが分かります。

軸ブレ対策した試作機

 

以下は、対策前の試作機です。以前このブログで紹介しましたが、それと同じ動画です。モーターが軸ブレで上下しているのが分かります。 また、モーターの軸ブレのため、シャフトが振れています。

軸ブレ対策前の試作機

 

 

・油滲みの検証

これは回転ドラムを15分回した後、モーター軸の油の滲み具合を撮影した写真です。

軸ブレ対策後のモーター軸の油の滲み

軸ブレ対策後

軸ブレ対策後は、軸の根元だけ油が滲んでいます。・・・軸に油は付いていません。

メタルから油が出て軸受けの焼き付きを防いでいるので多少の油滲みは正常です。

※ 目視で軸に油が付いていないことが確認できたので、軸の根元だけはピントが合うように撮影していたら、軸の方が鮮明に写ってなかった。(;^_^A アセアセ・・・

 

 

軸ブレ対策前のモーター軸の油の滲み

軸ブレ対策前

比較のため、軸ブレ対策前の油滲みの状況が分かる写真を載せておきます。

モーター軸に上下の力が加わったため、メタルから油が滲みでています。そして滲み出た油は軸の根元だけでなく軸全体をべったりと覆っており、メタルの油が出尽くしたときにモーターが焼き付く可能性があります。

 

その他のメリット

今までは、スイッチをONしたとき、急激に電動モーターの巨大なトルクが回転ドラムを回し始める為、そのショックで珈琲ロースターが揺れたり、シャフトとモーター軸が衝突する「ガチャ」という音がしていましたが、回転ドラムとシャフトの間にスプリングを挟んだことにより、スプリングが回転エネルギーを一瞬溜め込んでから回転ドラムを回し始めるため、珈琲ロースターが揺れたり、大きな音がすることは無くなりました。

 

しっかりコストを試算したわけじゃありませんが、スプリングを使う方法はギアやカップリングを使うよりコストがかからないと思われます。また検証結果に記載したとおり、良い結果が出ているので、この対策方法は有効だと思っています。

これから、シャフトの長さやスプリングの太さ・長さの検証を行う予定です。

 

※ 連休明けにカップリングメーカーさんと打合せを行う予定だったのですが、あまり有意義で無くなってしまった。今更断ることもできないし・・・・

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