最近、中華製の安物温度計ばっか使っているけど、日本製の温度計は使わないの?
なんて声が聞こえてきそうですが、中華製のK型熱電対のムキ出しタイプのMASTECH MS8221Cの方が使い勝ってが良くて、こればかり使っています。
秋月電子で2000円で買った安物温度計です。
精度が良くないのでは?って思う方もいると思うので、コーヒーロースターで使うにはどちらの温度計が良いのかを調査しました。・・・本当は以前やりましたが、イビデンスを取ってなかったので、再試験です。
私が使っているデジカメのリコーCX4はインターバル撮影という機能が付いており、時間を決めると一定間隔で撮影し続けてくれます。
この機能を使用してタイマーを1分に設定し、三脚に固定して撮影しました。
温度計の比較
比較する温度計は、この2つ。
左はA&D製 AD-5605P・・・T型熱電対タイプ、右はMASTECH製 MS8221C・・・K型熱電対タイプ
この温度計の違いは、AD-5605Pは熱電対がステンレス管に覆われているのに対して、MS8221Cはムキ出し
精度はT型熱電対を使用しているAD-5605Pの方がMS8221Cより良さそう
同一部分を測定するように熱電対を針金で固定しました。
コンロの火力とダンパーは100gのコーヒー豆をローストすることを想定して調整しています。
ただし、コーヒー豆は回転ドラムに入っていません。
空の状態で加熱します。
回転ドラムに温度計を挿入してコンロに着火する前の温度を見ると2度の差があります。
コンロに着火して1分後、MS8221Cの方が敏感に温度が上がり始めます。
2分後、約10度の温度差が開き、この差がしばらく続きます。
3分後
4分後
5分後
6分後
7分後、ここらから温度差が縮まりはじめます。
8分後
9分後
10分後、200度の時点で温度差がたった2度まで縮まりました。
コーヒー豆が乾燥したことを想定し、ここで火力をアップします。
11分後、MS8221Cの方が敏感に温度が上がり始めますが、今度は最大5度しか温度差が開きません。
12分後
13分後、ここら辺で1ハゼが来そうな温度です。
この時点で温度差はたったの2度です。
14分後、ここで火力を弱めます。
15分後、コーヒー豆が回転ドラムに入っていないので、想定外に温度が下がりません。
16分後、なかなか温度が下がらないので、コンロの火を止めてみました。
17分後
18分後
19分後、ほぼ同じように温度が下がり続けます。
結論
この結果を見て判るように、精度の視点から温度計を選ぶとAD-5605PとMS8221Cの差はせいぜい2度程度なので、どちらを使っても問題ないと思いますが、熱電対がムキ出しタイプのMS8221Cの方が温度変化に対して敏感であり、熱電対の固定が簡単なのでコーヒーローストを目的とするならMS8221Cの方が使いやすいと思います。
贅沢を言えば国産の熱電対ムキ出しタイプが良い思いますが、コーヒーロースト程度であれば中華製のMS8221Cでも十分だと思います。
ただし良いことばかりではなく、何度も使用しているうちに熱電対を保護をしている熱収縮チューブが硬化して欠けてしまうので、時々熱収縮チューブを取替える必要があります。
熱電対がステンレス管に保護されたAD-5605Pはこんなことにならないので、耐久性を取るかレスポンスを取るか、ここら辺がバーターになるんですね。
熱収縮チューブの修理は5分もかからない簡単な作業です。
詳しくは以下にまとめてあります。